生産者STORY

 
みたけ食品工業STORY
 

大地から授かった自然の恵みを加工して

米や大豆、胡麻など、日本人にとって縁の深い、伝統の食材。創業から50年、これらの大地の恵みと向き合い、経験を重ねることで、加工技術を磨いてきた食品会社。それが、みたけ食品工業株式会社です。
 
日本古来の伝統食材を食卓へ
 
日本古来の伝統食材を食卓へ
米、大豆、胡麻、大麦といえば、日本人ならだれもがなじみの深い食材です。日本古来の伝統的な食材でありながら、健康意識の高まりにより、近年改めて見直されています。
これらの身近な穀物を使い、業務用から家庭用までの商品を製造している食品加工会社があります。1959年に設立した、みたけ食品工業株式会社です。
「親戚にお米屋さんのいた先代が、お米を原料とする上新粉を作ったのが、当社の始まりです。その後、大麦、大豆、胡麻と、扱う食材の品目を増やしてきました」と、みたけ食品工業株式会社の取締役工場長、中里仁一さん。
原料として扱っている素材品目はとりたてて多いとは言えません。けれども、みたけ食品工業株式会社では、その素材から数々の商品を、世に送り出しています。
「当社の売り上げの約半分を占めるのは胡麻です。たとえば、この胡麻であれば、一般的な商品だけでも、生の胡麻を煎っただけの煎り胡麻、それを擦った、擦り胡麻、練り胡麻などがあるわけです」と取締役工場長の中里仁一さん。
そのほかの食材も、大豆からはきな粉や大豆粉、お米からは上新粉や米粉、さらに米粉を使ったから揚げ粉や天ぷら粉、大麦からは麦茶や健康茶といった具合に加工して、商品を生み出しています。

 
技術3本柱「焙煎」「粉砕」「発酵」
 
技術3本柱「焙煎」「粉砕」「発酵」
穀物である米、大豆、胡麻、大麦などを加工製造するみたけ食品工業株式会社には、「焙煎(ばいせん)」「粉砕」「発酵」という技術の3本柱があります。
「ひとつ目の技術、焙煎は胡麻ときな粉ですね。かつては手作業による部分も大きかったのですが、現在はかなり機械化が進みました」と、みたけ食品工業株式会社の取締役工場長、中里仁一さん。
昔に比べ、操作板に温度と時間を設定するだけで、誰でも簡単に煎ることができるようになった焙煎。これにより安定した品質が保てるようになったと言います。
「もうひとつの技術、粉砕は、粉物を作る際に使う技術ですね。たとえば、上新粉と米粉は同じお米の粉ですが、粉砕の方法はまったく異なります。上新粉は、お団子などにしたときに歯ごたえがしっかり出るように、ふたつのロールの間を通す、ロール粉砕を採用しています。一方で米粉は、上新粉よりもずっと粒が小さいんですね。これは、気流粉砕といって、風で撹拌(かくはん)することで、最終的には丸みを帯びたきめの細かい粒形にしています」
そして3つ目の技術が「発酵」です。これは、みたけ食品工業株式会社の50年の歴史のなかで、比較的新しい技術です。この技術は、「簡単なお手入れで誰でも簡単にお漬け物ができる」というコンセプトのもと、3年の研究を経て誕生した『発酵ぬかどこ』の開発のなかで生まれました。

 
『発酵ぬかどこ』の開発まで
 
『発酵ぬかどこ』の開発まで
2005年、みたけ食品工業株式会社には、それまでの「焙煎」「粉砕」に加え、「発酵」の技術が加わりました。けれども、この発酵には、ほかの焙煎、粉砕の技術とは、異質なものを感じます。どのような流れで、この技術が生まれたのでしょうか。
「上新粉の原料であるお米の副産物として出る生ぬかを焙煎し、以前から煎りぬかを製造販売していました。ぬかは雑菌が発生しやすい製品です。雑菌の繁殖を抑えることはそもそものテーマでもありました」そう話してくれたのは『発酵ぬかどこ』の研究に携わった、みたけ食品工業株式会社の研究開発室課長、石川準一さんです。
2002年、埼玉県の研究機関である埼玉県産業技術総合センターから、ある相談が持ちかけられます。その内容は、埼玉県にあるパンの機械メーカーが持っている自然発酵パン種を、何か別の用途で使えないだろうかというものでした。
「自然発酵パン種を使って作るパンは、日持ちがすると言われていました。その酵母を使えば、ぬかの雑菌が繁殖しづらくなるかもしれない。そうした予測のもと研究がスタートしました」と、研究開発室課長、石川準一さん。
そうして3年の歳月をかけ、非常に抗菌力の高いぬかどこを作ることに成功しました。
『発酵ぬかどこ』は、これまでの概念を覆し、買ってすぐに漬けられること、毎日のかき混ぜ不要という商品でした。この技術が評判を呼び、2011年には埼玉県から「彩の国産業技術大賞 特別賞」を受賞するなど、話題を集めています。

 
厳しい品質基準で安心と安全を送り出す
 
厳しい品質基準で安心と安全を送り出す
みたけ食品工業株式会社の基幹工場である、埼玉県鴻巣市の鴻巣工場を訪れると、敷地内にはきな粉の香ばしい香りがいっぱいに広がっていました。長野県にも駒ヶ根工場を構えるみたけ食品工業株式会社ですが、同社の製品の8割以上は、ここ鴻巣工場で製造されていると言います。ところがこの日、焙煎や粉砕などを行う工場の生産ラインには、ほとんど立ち入ることができませんでした。
「現在工場は、ほぼオートメーションによる製造工程になっています。エアー搬送による原料の搬送から投入、そして製品の製造から充填まで、ほとんど人の手に触れることなく、密閉空間で行なっているんです」と、取締役工場長の中里仁一さん。
人が立ち入ることで、異物混入のリスクは高まります。みたけ食品工業株式会社では、徹底的な衛生管理と厳しい自主基準のもと、生産に取り組んでいるのです。
そして目に見えるかたちで食の安全を追求するため、2001年には有機農産物加工食品の製造工場として、農林水産省認定の登録認証機関OMICの認定を取得。さらに、2007年には本社と工場全体で、品質マネジメントシステムISO9001を取得しています。

 
研究から生まれる新しいチャレンジ
 
研究から生まれる新しいチャレンジ
「当社には、『つねに新しいことにチャレンジしていくこと』という考えがあります。ですから、全従業員110名のうち、約1割が、研究開発スタッフなんです。この規模でそれだけコストや人をかけている会社は、それほど多くないと思います」そう話すのは、株式会社みたけ食品工業株式会社、取締役工場長の中里仁一さんです。
こうした研究が実を結び、株式会社みたけ食品工業では、数々の加工技術で特許を取得しています。では、開発のコンセプトとは、どういったものなのでしょうか。
「研究理念には『大地と人を結ぶネイチャーメディア』を掲げています。穀物天然素材の可能性を追求し、おいしいだけではなくて、どういう風に食べてもらうのか。穀物が本来もつ機能を、最大限に生かすための商品開発を続けています。新しい例でいうと、大豆粉ですね。従来の大豆粉にはえぐみがあって、そのまま料理に使うのはむつかしかった。そこで、えぐみの原因となる酵素成分を失活(しっかつ)させる技術を開発し、小麦粉の代わりに使ってもらえるような商品の開発に成功したのです」
小麦粉に比べて、糖質が少なく、タンパク質が豊富な大豆粉は、健康食品として注目される食材です。
「基礎研究が花を咲かせてできた商品もありますし、お客さまの声に耳を傾け、ニーズに答えるかたちで生まれた商品もあります。どちらかではなく、両方があって、開発は進んでいくのだと思います」
米、大豆、胡麻など、シンプルな食材を扱ってきたことが、むしろその加工技術を磨いてきたのかもしれません。研究を重ねることで切り拓く、食の新しい未来。みたけ食品工業株式会社の挑戦はこれからも続いていきます。