生産者STORY

 
狩野ジャパンSTORY
 
長崎発「ちゃんぽん麺」を全国に
株式会社狩野ジャパン 代表取締役社長 狩野喜治さんに聞く
太めで食べごたえのあるもっちりとした食感が自慢の「ちゃんぽん麺で作る塩焼きそば」と、「ちゃんぽん麺で作る焼きそば」。どちらもご家庭の常備食としておすすめ。その製造メーカーを訪ねてきました。
 
独自製法の「ちゃんぽん」と「皿うどん」
 
独自製法の「ちゃんぽん」と「皿うどん」
長崎の麺といえば、「ちゃんぽん」と「皿うどん」。
肉や魚介類などをメインに、野菜たっぷりの具で満腹感も楽しめる「ちゃんぽん」。同様の具材で揚げ麺の香ばしさと食感が楽しめる「皿うどん」。
麺好きの日本人にとっては、長崎の味というより、全国区の味になりつつあります。
「うちのちゃんぽん麺は、翌日温め直してもおいしくいただけます。コシとモチモチ感が自慢。これはだれにも真似できないでしょうね」とは、株式会社狩野ジャパン、代表取締役社長、狩野喜治さん。
「皿うどんも、あんをかけると、普通、ふやけてしまうでしょ。うちのは、ふやけないんです」とにこやかに話してくれました。
どちらも試行錯誤の末にたどり着いた苦労と技術の結晶です。手打ち麺の場合、職人は粉をいろいろな方向に練って打ち上げます。そこにヒントを得て、狩野ジャパンオリジナルの機械を導入。製造ラインのコストは通常の3倍ほど。その開発の理由を狩野社長は、こう言います。
「私たち、商品の品質でしか生き残っていけないですから」。
よりおいしいものをお客さまに。

 
長崎から全国へ
 
長崎から全国へ
長崎県大村市に工場をかまえる株式会社狩野ジャパンは、創業以来23年、製麺一筋で躍進してきました。当時、伝統の味を提供する製麺会社は県内にすでにありました。そういう意味では、後発とも言える株式会社狩野ジャパン。ならば、県外の市場へ。
「最初から東京の市場を目指していきました。いまでも6割を関東に出荷しています。地元は1%ぐらい。『皿うどん』っていう名前も、私が広めたんです。長崎では、炒める麺『チャーメン(炒麺)』が一般的な呼び名なんですね。でも、関東だとどうもしっくりこない。埼玉では、麺をうどんと言う。だったら、お皿で食べる麺だから『皿うどん』でいいんじゃないかってね。最初は、『なんでうどんなの?』ってよく言われましたよ。そこはうどんだって言い張ってね。…だからと言って商標登録するわけじゃありません。登録していたらここまで名前が知られなかったでしょう。『ちゃんぽん』も、最近では、大手の製麺メーカーから、売り出されるようになりましたよね。それでいいんです」と狩野社長。大手の進出にも動じない、品質への自信がうかがえます。

 
よりおいしいもの、いいものを愛情込めて
 
よりおいしいもの、いいものを愛情込めて
品質第一。こだわっているのは粉の練り方だけではありません。「皿うどん」を揚げる油も、つねに新鮮な油を使用。独自の酸化しにくいシステムを採用しています。だから食後、油で胃がもたれるようなこともなく、後味がさっぱりしています。もちろん、小麦粉も厳選したものを使っています。
「製造ラインのコスト、材料や製造工程のこだわりなど、商品自体はコスト高になっています。その分、工場を合理化して人件費を削減、省エネも徹底させています。しかも、うちの従業員の意識は高い。これまで、いろんなことをやってきました」
通常の工場では、300人程度必要だと思われるスタッフも、株式会社狩野ジャパンでは、その1/3以下の人員です。
少数先鋭。そのためにスタッフ用の食堂やホールも完備。夏場の工場内温度を考慮して屋根を二重にするなど、つねに、労働環境の改善が行われています。スタッフ一同、「心をひとつに」。「よりおいしく、いいものを愛情込めてお客さまに提供するのが私たちの使命です」という株式会社狩野ジャパン。オリジナルとも言える品質の高さが認められ、現在では、大手コンビニエンスストアや有名高級百貨店にも納品。多くのファンに愛され続けています。

 
製麺一筋に、つねにチャレンジ
 
製麺一筋に、つねにチャレンジ
「食品工場はどこも大変。コストがかかる仕事になっています。でも、続けていくからには絶対に逃げられない。だったら早く手を打とうということです」と狩野社長。
工場排水の問題にも、いち早く着手。電力の値上げにも、ボイラーを替える、照明器具をLEDに替えるなど、つねに一歩先を見据えて対応、チャレンジしてきました。
「商品開発しているときも、もう、やめたくなる。でも、やめちゃいけない。いい商品ほど壁は厚いんです。13年ほど前、パスタを開発しているときもそうでした。当時の乾麺は、ゆでるのに時間がかかる。おいしくて、早くて、簡単なのがいい。なんとかできないか。うまくいかなくてずいぶん捨てました。会社が潰れるんじゃないかと思うぐらい。真っ暗闇のなかで、小さくて、ちょっとした灯。それだけを頼りに全力投球でしたね」
ちゃんぽん、皿うどん、パスタ…… 加えて、最近では「ちゃんぽんまんじゅう」や「スープちゃんぽん」というちょっと変わった商品も開発しています。麺をベースに、不屈の精神で大いなるチャレンジを続ける姿勢が感じられます。
「食品というのは、私たちにとって、なくてはならないものです。製麺。自分にとって天職かなと思っています」と、狩野社長。その屈託ない笑顔には、23年間続けてきた自信とバイタリティがあふれていました。