生産者STORY

 
ハチ食品STORY 駒ヶ根工場編
 
100年という年月が導いた場所
ハチ食品株式会社 駒ヶ根工場大西さんと営業部立谷さんに聞く
Germer Roadでも好評を博している、ハチ食品株式会社のカレーやパスタソース。創業はなんと1845年。日本初の国産カレー粉を製造したこの会社の、変わらない姿勢と変わり続ける勇気とは。
 
澄んだ水の流れる地に
 
澄んだ水の流れる地に
1845年(弘化2年)大阪。薬問屋として創業したハチ食品株式会社は、その調合技術を生かし、1905年には日本初の国産カレー粉「蜂カレー」を製造する。それから106年、現在、ハチ食品株式会社は大阪に本社、東京と福岡に支社を、そして兵庫と南信州・駒ヶ根に工場を持つ。
中央アルプスと南アルプスに囲まれ、山脈からの雪解け水が流れる天竜川の流れに沿って南北に広がる駒ヶ根。澄んだ空気と清らかな水に恵まれたこの地に、ハチ食品株式会社駒ヶ根工場は建つ。
「名古屋と東京のちょうど中間で交通の便が良いというのも理由のひとつですが、やはり駒ヶ根の豊かな水が、この地に工場を建てる決め手だったと聞いております。おいしい料理に新鮮な水は欠かせませんから」と語るのは営業の立谷圭司さん。「兵庫工場では各種香辛料やカレー粉、カレールーなどを製造し、駒ヶ根工場ではレトルト製品を製造しています」

 
焙煎で香りを引き出す
 
焙煎で香りを引き出す
工場に一歩足を踏み入れると、スパイスの香ばしい香りが漂っている。
「わが社のレトルトカレーは、兵庫工場から持って来た新鮮なスパイスを、ふんだんに使用しています」と、品質管理室の大西隆史主任は答える。そして奥に並ぶ2つの釜を指し、「こちらはスパイスを焙煎するための鍋です。わが社のカレー粉はすべて直火焙煎になります。加熱方法はほかにも蒸気やIHなどがありますが、直火焙煎はスパイスの香りを一番引き立ててくれるんですよ」
レトルトカレーのためのスパイス焙煎のほかに、ホワイトルーや、Germer Roadでもおなじみの「炒めたまねぎ」も、この鍋で製造されるという。

 
厳選された素材
 
厳選された素材
「ベースとなるルーは全部で3種類あります。こちらに、さらにスパイスや調味料を加えて、その製品独特の味をつくっているんです」
そうしてつくられたルーは、野菜などの素材と一緒に鍋で加熱される。そこで投入される野菜、たとえば玉ねぎは、つくる商品によってカットするサイズも変えている。
「野菜のカットだけじゃなく、調味料、たとえば塩や砂糖なども商品によって使い分けているんですよ」と、調味料の保管庫を案内しながら大西主任は語る。
「あちらにあるビニールの掛かっている棚は、アレルゲンの原料専用の棚になっています。ビニールで保護をすることによって、飛散してほかのところに混入することを防いでいるんです」

 
徹底した品質管理
 
徹底した品質管理
ルーと具材を加熱し、カレーができあがったら、ラインを通ってレトルトパウチに詰められる。
「このルーが通っているラインのなかには、1万ガウスのマグネットの棒が5本入っています。そのなかをルーが流れていくので、たとえば金属系の異物はここで除去することができるんです」
そうしてレトルトパウチに詰められた商品は、X線異物検出装置を通り、殺菌機で殺菌される。「検出装置の感度はかなり高く、0.5ミリのステンレス玉まで検出することができます。その後の工程にある殺菌機、こちらに入るパウチは一回当り4400個。殺菌後、このなかから2つ抜き取って、菌検査室で保管し、状態を見ます。大体保管する期間は賞味期限×1.5年が目安。つまり、賞味期限が2年後の製品は3年保管。1年後のものは1.5年から2年、というように計算しています」

 
食味のプロによる厳しいチェック
 
食味のプロによる厳しいチェック
このように、ハチ食品株式会社では、品質保持の目的に合わせあらゆる作業が組まれている。しかし、これだけの工程でもまだ完璧ではないと大西主任は語る。
「そのために私ども品質管理がいるんです」と大西主任。
「データ上では製造に関して、何も問題がないのですが、実際に食べてみると『ちょっと違うな』ということがまれにあります。そのとき、原料まで遡ってみると、たとえば通常よりも少し古いスパイスを使用していたとか、そういう問題が見つかることがあるんです。それを発見するために、私どもは毎回、食味検査を行います」
衛生管理、そして異物混入防止、そして食味に関する少しの差異も逃さない「食味のプロ」による品質管理を経て、ハチ食品株式会社の製品はできあがる。
「いまでこそ問題ありませんが、品質管理のための試食は、始めたばかりの頃はすごく苦労しました。なにせわが社は製品の数がとても多いので」と大西主任は苦笑する。それを受けて立谷さんは、
「歴史におごらず、お客さまのご要望にお応えしたい、そんな思いから商品を開発しておりましたら、これだけの商品点数になりました」

 
100年を記念して誕生したカレー
 
100年を記念して誕生したカレー
スパイスをはじめ、新鮮な素材を使用した商品を、少しでも安価にお客さまに。そんな思いでハチ食品は商品をお届けしている。
そんなハチ食品の製品のなかで、一風変わった商品がある。「100年目のビーフカレー」シリーズだ。
「これは1906年に国産カレー粉をつくったわが社が、2005年に100年目を祝して発売した商品です。『記念のものだから一段といいものをつくりたい』ということで誕生しました。これまではお客さまのニーズに合わせてつくってきたカレーとは異なり、自分たちがつくりたいもの、自分たちがおいしいと思うものを目指しました。おかげさまで106年目を迎えたいまも大変ご好評いただいております」と立石さんは語る。
29種類のスパイスを使用し、熟成させたカレー粉を使用した「100年目のカレー」。3種類の果実ペーストによる深い味わいのデミグラスソースを使用した中辛と、赤ワインとデミグラスソースで香りとコクをつけた辛口の2種類がある。
「『いいもの』と言っているだけあって、手間ひまも掛けていますし、素材もいいものを使用しています。なのでほかの商品よりもお値段は上がってしまうのですが、それでもおいしいと言っていただけることはありがたいですね」

 
安心を食卓に
 
安心を食卓に
1905年、日本初の国産カレー粉を製造して以来、日本の家庭においしさをお届けしてきたハチ食品株式会社。その長い歴史のなかでは当然、大きなトラブルや苦難の時期はあっただろう。
しかし、立谷さんは「実はいままで異物混入等のクレームは一度もないんです」と言う。「もちろんそういったご連絡をいただいたことはあります。ですが、検査にかけた結果、それらは工場で製造中に混入した異物ではなく、お買い上げ後、開封してから混入した異物でした。細心の注意を払い、品質管理の工程を組んだ結果ですね」
誠実な商品づくりを心掛け、安心のおいしさをお届けし続けるハチ食品。106年目を迎える自慢のカレーを、ぜひともご家庭で味わっていただきたい。