自然で安全な重曹生活。
その限りない魅力を、ナチュラル生活研究家の岩尾明子さんにうかがいました。

重曹生活のススメ

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ナチュラル生活研究家 岩尾明子さんに聞く 重曹生活のススメ

『重曹生活のススメ』を出版され、重曹の普及で活躍されている岩尾明子さん。2011年7月、『シリンゴル重曹』を提供していただいている天外天、木曽路物産株式会社、鹿野正春社長とともに、シリンゴル現地を訪問。その際、道中で、お話しをお伺いしました。
 
 
洗剤の代わりに重曹を使いはじめても、ついつい、合成洗剤をスーパーで買ってきて、使うことのほうがラクなんじゃないか。挫折しそうなんですが……。
そう思いますでしょ。ところが、重曹生活を始めた人は、お金をあげるって言っても、「前の生活には、二度と戻りたくない」っておそらくみんな答えるでしょうし、いまのほうがラクだと答えるでしょう。それは結局、何も気にしなくていいからなんです。
たとえば、浴槽を洗う。その時、確かに、強いお風呂用洗剤を使って洗えば、その時は、キレイになったような気がするかもしれない。でも、たぶん、強い洗剤を使ったから、つぎに、一番最初に入る子どものことを考えると、何回洗い流しても不安で、何度も何度も洗い流すでしょう。それでもきっと心配で、最初にお湯をはった時には、「お父さん、先に入って」って(笑)。そういうことになるぐらい、実は、洗剤のことを気にしながら生活しているんです。
だけど、重曹生活を始めた人って、子どもにお風呂の掃除をやらせてあげられるくらいです。子どもが学校から帰ってきたら、遊びながら、重曹でお風呂の掃除をして。たとえば子どもが、ざっとすすいだだけで、実は流し足りなかったとしますよね。でも、それ、つぎにお湯をはったら入浴剤になるだけで、何の害にもならない。
子どもに掃除をしてもらうことは、お母さん自身がラクになることでもあるんです。さらに、こういうやり方で掃除をやっちゃダメとか、なめちゃダメとか何も言わなくてもいい。
幼稚園の子どもだって、自分のやれる範囲で、自分の身の回りのことができるようになる。
家事をダウンサイジングするというか、家族に渡してしまえる。汚した人がきれいにしなさいねと。自分の部屋は自分できれいにしなさいねと。
そのために渡す掃除道具も、口に入っても大丈夫なようなものだから、心配する必要がない。そういう生活になってくる。
それはたぶん、想像以上に気が楽になるんです。
 
 
重曹は洗ったり臭いを取ったりするためのもの?
重曹生活がひとつのきっかけで、自分の身の回りを、自然なものできれいにするようになって、次には、“食”が気になる。次には衣料が気になる。そうやって、どんどん、自然に還っていく。
私たちが運営しているネットショップでは、最初は、重曹しか扱っていなかったのが、いまは、無農薬の米も扱っている。
なぜか?
そういう需要があるからです。
無農薬のお米を、重曹で洗うという、これまでなかった生活習慣なんですけれども、そういうことをすることによって、玄米の表面にある、酸化した脂質が、かんたんにとれる。そして、食べ心地が良くなるし、排水も環境への負荷が減るということを、両立していける。そうやって、いろんなことが相乗作用を持ってくる。
その前に会得した生活の知恵が、次に会得しようとする、衣であったり、食であったりという生活の知恵にも、新しい光を当ててくれる。
だから、食生活だけ自然に戻したらいいとか、着るものだけオーガニックであればいいじゃなくて……。だって、そうじゃないですか。着るものだって、自然素材の衣料を蛍光洗剤入りの洗剤で洗ったらどうなります?
かといって着たきりのまま過ごしたら、それは、汚い。臭いも取れない。では臭いがついたからって市販のケミカルな消臭剤を使うのか。使いたくないわけです。
ならば自然のもので、どうやって臭いだけ取るようなエアスプレーを作るのかっていうことになってくる。衣食住ぜんぶ、乗り合いです。
そうやって、掃除で使っていたはずの重曹で、今度は、オーガニックの米粉とか小麦粉のパンをふくらませている自分がいるんです。
重曹って、最初は掃除に使うつもりだったのに、いつの間にか、生活、全部に使っている。
 
 
そうやって広がっていくということですね。
そうです。
アメリカで、おばあちゃんの知恵的な、重曹の使い方の古い文献がある理由というのは、西部開拓時代から、町に一軒、いわゆるドラッグストアですね、「大草原の小さな家」でいえば金髪のネリーがいるお店みたいなのがあって、そこでは、重曹の計り売りをしていた。
重曹があれば、家でパンも焼けるし、クッキーも焼ける。赤ちゃんの世話もできるし、掃除もできる。物がない、何でも工夫して自分でやらなくてはいけないという生活のなかで、重曹は、生活の基本物資になっていたということがあった。
それで、使い方をたくさん知っているわけです、むこうの人は。
その知恵を、まず、輸入した。
日本でもおばあちゃん世代とかには、重曹の使い方を知っている人がいるんですね。
そういう人たちの知恵も聞き取り調査したりして、だんだん、日本式の、日本の暮らしに合うシステムを作っていったという経緯です。
そうやって作っていくなかで、掃除だけじゃない、美容にも、育児にも、衛生にも、介護にも、それから、食事にも、と、自然素材をうまく使うことを土台にした考え方が広がっていって、結果、衣食住を自然に戻していく。
 
 
そういう生活に興味がある。重曹に興味がある。そういう人たちって、じつは、けっこう多いと思うんです。
あります。すごく簡単ですよ。
買ってきた重曹を、ペットボトルに入れましょう、ということ。
市販の洗剤類は、ちゃんとした容器に入っている。だけど重曹は、砂糖とか塩を買ってきたときみたいに、袋に入っているから使いづらいんです。最初のスタートを考えて用意できれば、もっと、使いやすいはずなんです。本当は、ペットボトルじゃなくって、ちゃんとふさわしい穴の開いたものがあったらとは思いますが。
あるいは、自然の植物でにおいをつけたような、いいにおいの重曹があれば、本当はもっと敷居低く、そして楽しく始められると思う。
砂糖や塩みたいに、あるいは、極端な話、米袋みたいに、どんって大袋で買ってくるしかないというのが、他の、いまの便利な市販製品との、最初の一歩目での大きな違い。ですから単純ですが、ペットボトルに入れるっていうのが最初なのです。
それをキッチンに置いたり、お風呂場に置いたりして、とにかく臭いのするものに振りかける。排水口でも、生ゴミでも。それからお風呂に入れてごらんください、入浴剤として。また、ボトルから手のひらにふりだして、身体につけてごらんください。そういうことです。
いちいち袋を洗濯バサミで閉じて、使う時に開いて、スプーンで取り出して、わざわざ、そうすることが面倒なんです。
やらないでしょ。だから、小さなペットボトルに入れて、使いたいところに置いておく。
それが最初。重曹生活の始まりです。
 
 
岩尾さんの活動の内容など、お教えいただけますでしょうか?
私たちの活動は、インターネットを見ていただくのがいいと思います。
“ 地球にやさしい ” で検索していただきますと、「クリーン・プラネット・プロジェクト」というサイトがトップに出てきます。
それを見ていただくと、どこで講演をやっているとか、記事がのっている雑誌が出るとか、あるいは、テレビ等への出演など、そういう活動情報がわかります。
それから、サイトの中に、重曹などの使い方がまるでわからなかった昔、みんなで情報交換した、電子掲示板(電子会議室)のアーカイブがあります。そういうところをのぞいていただいてもわかると思います。
それから本。クリーン・プラネット・プロジェクトの関連するタイトルの本を紹介しているので、ネットショップでも書店でも手に入れていただけます。
もうひとつ、情報を発信しながら、車の両輪みたいに、商品も扱っています。
こういうものをこういうふうに使うとこういうふうな自然生活が送れますよという、使うものそのものですね。
その情報と一緒に、最低限のものを手に入れることも、サイトのネットショップからできるようにしています。
他にも、もしかしたら、あなたのまわりを見渡してみると、昔からやっている良心的な薬局に、自然なせっけんを置いてあるかもしれません。重曹を扱っている実際のお店も、案外近くにあるかもしれませんよと、再発見していただけるような形の提案もあります。
もちろん入手できなければ、こちらのネットショップでいつでも買っていただくことができます。
そんなふうにして、情報とモノ、両方動かしていくというサイトをやっています。
 
 
最初からネットショップをやっていらっしゃったんですか?
最初は、情報しかなかったんです。
初期に出版させていただいたいくつかの書籍を読んだ方から、自然な生活ができるのはわかったけれども重曹ってどこで買うのという問い合わせがすごく多かった。
そのころ重曹は、ほとんど薬局の「局方重曹」しか手に入らなかったんです。
こっちの薬局では800円だったけど、あっちの薬局では750円で売ってたとか、そういう情報交換をみんながやりはじめて。そのうち、どうせだったらネットで売ってくれということになり…。そのために、はじめのころは無理矢理アメリカから重曹を輸入してみたりもしました。
もともと重曹を扱っている業者さんは、何千トン、何万トンという単位で扱っているので、そんなめんどうくさい2キロなんて小分けできるかという反応でした。
まず、小売り用に小さな袋につめてくれるメーカーさんを探すのが大変だった。
そのうちに、木曽路物産の鹿野社長との出会いがありました。
『シリンゴル重曹』が見つかってからは、ネット通販でも実際に少しづつ動いてきて、最近では、町のマーケットなどでも取り扱いが増えてきましたね。
 
 
『重曹生活のススメ』の出版がきっかけになって、『シリンゴル重曹』を扱っている木曽路物産の鹿野社長と出会った?
そのころ私は、アメリカからチャーチアンドドワイト社のアームアンドハンマー印の重曹を苦労して輸入していました。
何百個という製品をパレットで輸入して、みんなで小分けにするような形で売っていました。
ある雑誌社の方から、木曽路物産さんの代理店をしてらっしゃる方をご紹介いただいたんです。その方、「大丈夫です。2キロで袋につめてお出ししますよ」と。そんな業者さんが日本にもあったんだ! と感激しました。
大口でどかんどかんとという商売に比べたら、細かなニーズというのは取るに足らない量。でも、そのニーズをすくいあげてくださったのでとても助かりました。
木曽路さんは、食品の輸入業者さんですから、食品添加物として輸入していらっしゃるという安心感もありました。
ご縁いただけて良かったなと思います。何が、どこでどうつながってどう役に立つかわからないものですね。
鹿野さんは鹿野さんで、日本でも重曹を広めている私たちの活動をどこかで聞いていらして。
機会があって、お会いすることができました。
最初は、段ボール1箱とか2箱頼むのが、私たちクリーン・プラネット・プロジェクトはやっとかもしれませんと申し上げました。
そういうところから始まっておつきあいしていただいたんです。
 
 
重曹の反響はどうですか?
食の安全とか、生活の安全とか、あと健康のことなどを問われるような事件・事故が起きるたびに、売り上げが増えています。
これは、うちのネットショップだけじゃなくって、重曹を売ってらっしゃる方、皆さんそのようです。
今回の福島の原子力発電所の事故もそうですよね。急に需要が増えました。
最初は、アレルギーで悩んでいらっしゃる方の、手間がかかるけれども、ちょっと変わった、ナチュラルな生活のしかたという捉え方だったのが、だんだん、いま風の、ある意味おしゃれな、最先端の、環境に配慮した、合理的な自然な生活のしかたというふうに捉えてくれるようになってきています。
 
 
そもそも重曹に着目したのは、どういうきっかけだったのでしょうか?
最初は、環境関係のことで、私たちができることって何だろうって考えていたんです。
いち個人として、あるいは家族を守る主婦や母親の立場で何ができるだろう?と。
「何々反対!」と叫ぶとか、グリーントラストとか、いろんなことができるんですけれども、もっと地べたの、足下にできることがあるような気がしていたんです。
毎日の生活をしているなかで、出ていった排水が、次の生き物の邪魔にならないような暮らし方ってできないか……。
モンゴルもそうですよね。循環の輪のなかにある。馬の排出物が、人々の冬の燃料になったり。そういう生活。現代にもそんな可能性があるんじゃないかと思っていました。
日本で言うところのおばあちゃんの知恵袋的な知恵。これって日本に限らず、世界中から探すにこしたことはないだろうって感じていた。
 
 
それで「重曹生活のススメ」を出版されたんですね。
いまもそうですけれども、本の企画出版の仕事もやっていますので、海外版権を扱っているエージェンシーさんとおつきあいがあるんですね。
そういう会社にいる仲のいい友だちに、何か「おっ」て思うものがあったら教えてと頼んでいたんです。
そんなある時、「こんな本が出るんですよ」って教えてもらったのが、アメリカ人女性が書いた「Clean House, Clean Planet」っていう原題の本でした。
重曹とお酢、石けん。この3つで、家のなかのことがほぼ全部できる。だから、家のなかから、某大手メーカーが量産している合成洗剤を追い出しましょうという、わりと過激な本だったんです。
この本の企業名指しの部分を全部削除して、日本の現状に合うように、ベーキングソーダは“ふくらし粉”ではなく、重曹と呼んで、出したのが最初の本です。
アメリカだと、ベーキングソーダって、簡単にスーパーで売っているんですね。パンをふくらましたり、クッキーをふくらましたりする材料だから。
けれども日本にはあまりなかった。日本で買おうと思うと、以前は薬局に行って、おじさんに「重曹ください」と言い、おじさんからは「これ、胃薬ですけど、何に使うんですか」といぶかられる。そういう状況から始まったんです。
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