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いま、われわれが飲んでいるお茶は、完全に嗜好品です。でも、もともと中国からお茶が伝来してきたときには、サプリメントに近いかたちで入ってきているんです。ところが、いま、お茶には、サプリメントというイメージはほとんどない。
こないだもどっかで話題になっていましたけれども、たしかにお茶は身体にいいと言われています。でも、通常急須で淹れるお茶だと二十何杯飲まないと、実感できない。
ですから、体に気を使っていて、それをお茶のタンニンだとかなんだとかで、ケアしようとしても、１００杯くらい飲まないとだめです。
でも、昔、中国から渡ってきたお茶は、１杯、２杯でそこまで可能かどうかはともかくとして、何十杯も飲まなくても、健康的な実感を与えてくれたようです。昔の資料を読んでいくと、インパクトを感じていたようですね。
それなら、日本に渡ってきたそもそものお茶はどうだったのか。日本でどんどん改良して、口当たりがよくて、栽培効率もよくて、という品種改良を求めていった現在のお茶と、もとのお茶はどれだけ違うのかなと、興味を持って調べていたんです。
それで、探しに探して、中国から渡ってきたそのまま、あるいは、非常に近いお茶が見つかった。僕ら原木って言っているんですけれども、原木が、静岡県に数本だけ残っていたんです。もちろん、野生化しています。
お茶の木って、畑で見ると、地面から、細い幹がいっぱい生えています。低木で、頭でっかちな木になっている。原木は、そうではなくて、太い幹がどんと、根っこから生えている。それで、高い木になる。
栗渋がいくらよくても、単独の素材には、どうしても弱点もありますから、栗渋というすぐれた素材を、こういうお茶の原木の持っているちょっとしたインパクトでお手入れを楽しんでもらえるよう、そういうところに注意して、今回の「ピュアシリーズ」をつくっています。