生産者STORY
- 横浜大飯店STORY
- モンドセレクション三年連続ゴールドメダル
モンドセレクションは「食品のオリンピック」とも呼ばれ、ベルギー政府とEC(欧州共同体)によって1961年に創設された、権威あるコンクールで、食品の品質向上のために設けられたものです。
合わせ調味料では、「中華街の海鮮XO醤炒めソース」もブロンズメダルを受賞しており、「専務の厨房まかないカレー」「専務の中華まん(肉まん)」も同じくブロンズメダルを受けています。
「専務の中華まん(肉まん)」の「専務」とは、石浦恵三(呉恵三)専務取締役のこと。キャリア40年のベテランで、横浜大飯店の総料理長の要職にあるだけでなく、日本中国料理協会の理事も務める、この世界の重鎮でもあります。
専務の名刺には日本名と中国名が併記されていますが、石浦さんは大阪生まれの華僑。「中国語が苦手な中国人です。というか、まったく日本人ですね」と言うのは営業部取締役の坂越佳一さん。
中国語は苦手でも中国料理にかける情熱は相当なもので、職人肌の石浦さんは陣頭指揮をしながら、現在でも自ら鍋を振っています。
もちろん、合わせ調味料のレシピは、基本的に石浦さんの「作品」。ですから、モンドセレクション受賞の最大の功労者は、石浦さんと言っていいでしょう。
「『中華街』シリーズは、ご家庭でお店と同じ味になるように設計しています」(石浦さん)とは言うものの、当然、お店とは多少は味が違います。
それでも、権威あるモンドセレクション3年連続ゴールドメダル受賞の「中華街の四川式麻婆豆腐ソース」をご家庭で味わえるというのは、うれしいことですね。
- 「ホットパック」に秘密
横浜大飯店の中華合わせ調味料は、「つくれる」シリーズというネーミングです。
正式名称は、たとえば「中華街の麻婆豆腐がつくれるソース(四川式)」となります。四川式とあるのは、広東式もあるためで、「中国料理の奥の深さを知っていただきたい」が持論の石浦恵三(呉恵三)専務取締役兼総料理長のこだわりが、ここにも現れています。
石浦さんは、40年のキャリアを誇る大ベテランで、有名ホテルの料理長を歴任してきました。
「麻婆豆腐」を「エビチリ」「回鍋肉」「酢豚」などに入れ替えれば、「つくれる」シリーズのラインアップになります。
基本コンセプトは、材料を炒めるなどし、「つくれる」シリーズを加えれば、横浜大飯店の味をご家庭でも楽しめるというもの。手軽に横浜大飯店の味を楽しみたい人も、「どんな味だか試してやれ」という料理自慢の方も、とりこになること請け合いです。
その秘密のひとつは、レトルトパックでなく、「ホットパック」であるところ。
「レトルトだと、高温処理するので、味が変わってしまうんです」(石浦さん)
レトルトパックは、通常200℃で殺菌処理します。それに対し、ホットパックでは90〜100℃ですので、「店の味に近い味をご家庭でも楽しんでいただけます」(石浦さん)
もちろん、衛生的にはまったく問題はありませんが、賞味期間はレトルトものに比べ、半分の1年間になり、営業的には不利になるのでしょう。それを犠牲にして、「店の味を味わっていただきたい」というこだわりなのでしょう。
もっとも、「つくるそばから売れるので、あまり賞味期限は気にしてませんけどね」と営業部取締役の坂越佳一さん。
中華街の「つくれる」シリーズで、横浜中華街の味をお試しください。
- 「つくれる」シリーズの基本コンセプト
横浜大飯店の中華合わせ調味料「つくれる」シリーズは、石浦総料理長のレシピを忠実に再現するというのが基本コンセプトです。
とはいっても、「店の味をご家庭でも再現する」というのは、それほど簡単ではありませんでした。なんべんも試作を繰り返し、吟味しても、納得のいく味が出ませんでした。レトルトパックでなく、ホットパックにしたのは、そうすることによって、調味料の味変化が極力おさえられるのではないかと考えた末です。
「つくれる」シリーズの通常の調理が90〜100℃。沸騰しない温度で調味料を合わせ、それを充填して、一度冷却します。それを、80〜90℃くらいで15分くらい湯煎し、殺菌完了。
これは、「ホットパックにしたメリットは、売る側にはありません。買ってくださる側に合わせたわけです」(石浦さん)
ところで、他社からも「麻婆豆腐の素」や「酢豚の素」のようなレトルトパックが発売されています。スーパーマーケットなどでも売っているああいった製品と、横浜大飯店の「つくれる」シリーズはどこが違うのでしょうか。
「たとえばクックドゥの製品なんかは、一般的な味なんだと思います。多くの人たち向けに、一般的な味を目指している。もちろん、私たちだってたくさん売れればうれしいですけど、それだけではない。師匠から伝えられた味、それを伝えていきたいと思っているんです」(石浦さん)
中国では、医食同源、正しい食事をとることは医療と同じという伝統があります。それは、グルメ、美食などという軽いものではなく、中国の思想と言っていいでしょう。
石浦さんの料理に対する姿勢、言葉の端々に、中国四千年の伝統が脈々と伝えられているような気がします。
- 「つくれる」シリーズは6年前から
横浜中華街のメインストリート入口にある横浜大飯店の店舗は、地下1階から3階まで4フロアに分かれており、1階は売店。Germer Roadでご紹介しているものをはじめ、数々の商品が並んでいます。もちろん、モンドセレクション受賞のボードも、誇らしげに並んでいます。
横浜大飯店は創業50年。
「つくれる」シリーズの中華合わせ調味料を売り出したのは意外と最近で、6年前からといいます。モンドセレクションのブロンズメダルに輝いた「専務の中華まん(肉まん)」は、もっとあとで、「4、5年前からじゃないでしょうか」とおっしゃるのは、営業部取締役の坂越佳一さん
坂越さんが把握している範囲では、「こういうふうに、外に売っていくというのは、聘珍樓さんが一番最初で、うちはその次くらいじゃないでしょうか」(坂越さん)
「つくれる」シリーズの最初のラインアップは、麻婆豆腐(四川式、広東式)、酢豚、エビチリ、海鮮XO醤炒め、牛肉かき油炒めの6種類。現在では、「つくれる」シリーズ以外にも、「専務の厨房のまかないカレー」(モンドセレクションのブロンズメダル受賞)をはじめ、多くの味をご家庭で楽しめるようになりました。
普通の商品開発であれば、おそらく、店の味は店の味、パック通販の味はパック通販の味と割り切るのでしょう。なぜそこまで、「店の味をご家庭でも」というところにこだわるのでしょうか。
「中華街という独特の場所でお店をやっているというのが大きいのではないでしょうか」(石浦総料理長)。
中華街はいろんな地域から移住した華僑がつくった街です。中国各地の味がそろっていて、四川料理、広東料理、上海料理、湖南料理や、さらに他の地方の中華料理が楽しめます。そういう文化、伝統を前提に、「お客さんが、横浜大飯店の味をまた食べたいなというときに、お取り寄せしてもらいたいと考えたのです」(石浦さん)
やはり、中国の食文化は、深いものがありますね。
- 「お店にも来てくださいね」
Germer Roadのお客さまは、日本全国にいらっしゃるので、「横浜中華街に行きたいけど、遠いから」とおっしゃる方も多いでしょう。そこで、横浜中華街の名店・横浜大飯店の簡単な紹介をしましょう。
横浜中華街のメインストリートにあるメインゲート「善隣門」のすぐ隣に、横浜大飯店はあります。
「ですから、テレビのロケなんかを中華街でやると、よく、うちの店が出ますよ」(営業部取締役・坂越佳一さん)ということなので、「中華街特集」のような番組があったら注意して見てくださいね。店構えがわかると、ご家庭で「つくれる」シリーズをつくったお料理も、ひと味変わるかもしれません。
横浜大飯店では、オーダー式のバイキング「食べ放題」(時間無制限)をやっています。オーダー式ですから、できたての料理を召しあがれます。点心・一品料理・デザートはもちろん、北京ダックやフカヒレスープなど、約90種類の豊富なメニューを、飲茶感覚で少量ずつ楽しめます。
中国茶も、この「食べ放題」に含まれます。用意しているお茶は、烏龍茶、鉄観音茶(上品な渋みと香り。烏龍茶の最高級品と言われています)、プーアル茶(香港の飲茶で定番。独特の渋みがあり、最も中国茶らしい中国茶)、茉莉花茶(ジャスミンティー)、桂花茶(キンモクセイ茶。代表的な花茶で、芳醇な香り、ほのかな甘味あり)。
お酒が好きな方には残念ながら、お酒は別料金。それでも、ドリンクメニュー「飲み放題(90分)」がありますよ。
このオーダー式のバイキングは、なかなかのお値打ちもの。遠方にお住まいの方も、関東地方に用事ができたら、ちょっと足を延ばして横浜中華街へいらしてみてください。