金鋒先生一代記

 
中国科学院で一目ぼれ
 
中国科学院で一目ぼれ
田舎の研究室で働いていたころ、中国科学院では、田舎で学問の道を歩んでいる、才能ある若者たちを数多く招へいしていました。金先生にも遺伝学の研究室から声がかかりました。それまで田舎暮らしだった金先生は、突然、中国科学院に行き、環境は激変。学問への意欲がさらに高まりました。けれどもやることといえば、小麦の花粉をピンセットでとり、ほかの花粉と混ざらないように受粉させる実験ばかり。成功すると、金先生の上にいる研究者の功績になり、失敗すると学生の責任になる。「いつか見返してやりたい」と思いながら勉強に励んでいました。
そんなとき、研究室に新しい研究生が入ってきました。そのうちのひとり、中国で一番の大学、科学技術大学を21歳で卒業した、とても優秀な女性がいました。金先生は彼女に一目ぼれしたそうです。それが金先生のいまの奥さまです。