金鋒先生一代記
-
住むとしたらどこが一番だと思いますか?
-
金先生は、研究などのために世界各地を訪問してきました。中国各地をはじめ、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ヨーロッパ諸国・・・。世界各地を見て来た金先生ですが、生活するとしたら、北京か日本がよいとのこと。
北京は、慣れ親しんだ場所で、友人も多いというのが理由です。
日本を選んだ理由のひとつは、「住みやすい」ということでした。「住みやすい」というのは、人と人との関係がとてもよく、さらに、日本の文化が好きだそうです。
日本の「文学」は、世界のなかでもレベルが高く、日本人は、数多くの言葉を作ってきました。「社会」、「経済」、「政治」など、日本で作られた言葉はたくさんあります。
たとえば、「社会」は、英語の「society」の訳語として、明治時代から使われるようになりました。中国の古い書物のなかにも「社会」という言葉がありましたが、こちらは、「社=土地の神を祀ったところ」で、「社会」は、「村人たちが土地の神を祀ったところに集まる」という意味だったとのこと。現在、中国で使われている「社会」は、日本から輸入した言葉だそうです。
「中国で一番発行部数が多い『人民日報』から日本で作られた言葉を消してしまうと全然読めなくなってしまいます」と金先生。
空気もきれいで、大気が汚れておらず、自分の身体を預けるとしたら日本が一番だとおっしゃっていました。
「東京に5年半、京都に2年半住んだ経験があり、いま、日本に滞在するときは秋田に住んでいます。日本で一番好きな場所は、秋田です」とお話ししていただきました。