生産者STORY

 
JA江刺STORY
 
生産者との強力なタッグが生んだ唯一無二の味
JA江刺 代表理事専務 今春昌一さんに聞く
Germer Roadでもおなじみの「りんごジュース」は、生産者とJAの強力なタッグによって実った、最高品質のりんごの魅力がギュッと詰まっている。挑戦し続ける者にしかたどり着くことができないその味わいは、一度体験すればとりこになること間違いない。
 
土づくりから始まる江刺の農業
 
土づくりから始まる江刺の農業
東北新幹線で東京から2時間半走ると、そこに広がるのは清涼な空気と緑豊かな地。雄大な自然のなかを車で走りながら、「本当に何もない場所でしょう?」とJA江刺の及川暁さんは笑う。ここ水沢江刺は、岩手県の内陸南部に位置し、県内第三位の人口と面積を擁する。
この地の農業は、「江刺型農業」という複合農業の形態が特長である。「私どもは昔から『米・牛・野菜・りんご』の4本柱を組み合わせた循環でずっとやってきました」と語るのは、JA江刺の代表理事専務である今春昌一さん。
江刺では「牛の糞を100日かけて発酵させ、それを堆肥として生産者に還元」しているという。この農業、以前は野積みによって堆肥をつくっていたが、環境法により現在では堆肥センターで発酵させているという。
「多少の工程は変わりましたが、この地ではずいぶん昔からこのやり方をとっています。つまり、江刺の農業は、土づくりから始まっているんです」

 
温故知新だけではない、先駆者としての姿勢
 
温故知新だけではない、先駆者としての姿勢
そんな昔ながらの製法を大切にしているJA江刺だが、いまからおよそ40年前、当時日本ではまだ珍しかったカントリーエレベーターを設置したという。カントリーエレベーターとは、アメリカで誕生した穀物の貯蔵施設のこと。江刺はそんな、業界のパイオニアとしての顔も持っている。
彼らが満を持して全国へお届けする生産物に、「ジョナゴールド」と「サンふじ」という2種のりんごがある。石灰とリン酸分の多い土壌と、日中と夜の気温差が大きい江刺。りんごづくりに適した環境と高い栽培技術が相まって、現在江刺では260ヘクタールもの栽培面積でりんごを栽培している。江刺が誇るりんごがどれほどに高級か。それは今回の初競りで江刺の「サンふじ」が28個入り10キロに1箱110万円という過去最高値が付けられたというニュースに見ることができるだろう。JA江刺の方々の自信に満ちた表情も納得の実績だ。

 
勝ち続けるために何を選ぶか
 
勝ち続けるために何を選ぶか
「江刺のりんご栽培の特徴の一つは、わい化栽培だと思います」と、りんご農園の岩渕さんは語る。台木に品種の穂木を接木し育てるわい化栽培。木自体が大きく育たないので、剪定や収穫作業の効率が上がるという。
「私どものりんごは無袋栽培という、りんごに袋をかけず、太陽の光を浴びさせる栽培方法をとっています。木一つひとつが大きく伸びないわい化栽培は、日光に当てるという意味でも効果的です」
JAとタッグを組み、「江刺のりんご」というブランドを確立してきた生産者たち。
「全国から見たら、私どものりんごの生産量は微々たるものなんです。青森なんてすごい生産量ですから。それに対抗して、私どものりんごの名前を残すためにはじゃあどうすればいいか。それを考えた結果、やはり味で勝負するしかないな、という結論に至ったんです」さらに岩渕さんは続ける。
「袋をかけずに栽培しようとすると、どうしたって虫に食われたりというリスクは生じてしまいます。袋をかけた方が効率的かもしれませんが、でも袋をかけて赤く実ったりんごの赤は、着色料の赤なんですよ。赤いセロファンをかぶせ日光に当て、それで赤くなっただけのことですから。味で勝負となると、効率が悪いかもしれませんが、無袋で栽培した方がいいんです」

 
江刺がたどり着いた最高品質をジュースに
 
江刺がたどり着いた最高品質をジュースに
「ジュースが製造されるまで、傷物のりんごは、自家消費か廃棄しかなかったんですが、それではもったいない。そこで何かできないだろうかと考えた結果がジュースだったんです。ジュースの売り上げは生産者さんたちに還元できますからね。りんごの破棄も減らせて、収入も増やせる。そんな考えから製造が始まりました」その言葉のなかに、ここにも「生き残るために何かを残す」という江刺の精神がうかがえる。
JA江刺の方々と生産者さんの強力なタッグによってつかんだ、「最高品質の味」が味わえるこのジュースを、ぜひともお試しください。